「不安を感じると、不安な現実を引き寄せる」と言われた。本当なのか
お金の不安が消えない。しかも「不安を感じていると、その不安な現実を引き寄せる」と読んだ。だとすると、消えないこの不安が、次の不安な現実を呼んでいるのではないか。編集部の答えは「そうとは限らない」です。不安と、その後に起きるお金の出来事の因果を調べた資料を編集部は見つけておらず、この説明を本当とも嘘とも決めません。決めないまま、消えない理由を別の場所に探します。
編集部が見ているのは、「お金の不安」と呼ばれているものが1種類ではないことです。種類の違う不安を1つの不安として消そうとすると、消えないまま同じ計算だけが増えます。この記事は、不安を消す方法ではなく、中身を分けて、今月の分だけ今日手当てし、先の分には考える日を書く手順です。
「不安だとお金が逃げる」「心配は波動を下げる」が、不安の上に足すもの
この説明を読んだあとに起きることを、先に見ておきます。引き落としの計算が始まるたびに「今、不安な現実を引き寄せている」という2つ目の不安が重なり、支払いの手当てより先に、不安を感じないようにする作業が始まる。考えを締め出そうとするほど戻ってきやすい、という研究のまとめはネガティブなことを考えると悪いことを引き寄せる?に載せています。不安を感じた自分を責める文が止まらないときは自己否定をやめたいときがあります。
不安を感じること自体は欠点ではありません。お金の心配で波動が下がるかどうかは、編集部に確かめる手立てがなく、嘘とも本当とも扱いません。スピリチュアルとの付き合い方はスピリチュアルに疲れた人へにあります。この記事は、不安の働きは残したまま、中身を分けます。
「今月あといくら」で頭がいっぱいの人に、りゅうが答えたこと
脳質改善を提唱するりゅうは、2026年7月31日に「今まさに『今月あといくら』で頭がいっぱいの人に対して、『その状態のまま頑張るな』と言い切ってよいですか?それとも、りゅうさんならどう言いますか?」と聞かれ、こう答えています(問いの中のかぎかっこを『』に変え、末尾の括弧書きを省いています。答えは省略なしです)。
お金の不安を抱えてる時は確実にIQが下がるから、できる限りお金を考えないようにするのがベスト。でも難しいと思うから、最終的な逃げ場や逃げ道のことを考えると上手に前に進めると思います。
「確実にIQが下がる」は本人の見立てで、測った結果ではありません。向きの重なる研究として、お金のやりくりを考えさせると、貧しい参加者で認知課題の成績が下がり、余裕のある参加者では下がらなかったという報告(マニらの研究(2013))があります。お金のやりくりを考えさせる実験と、同じ農家の収穫前と後を比べた調査で、参加者数は抄録に無く、編集部は本文を確認できていません。再分析や追試をめぐる議論も続いていて、反論を含む中身はお金の引き寄せが叶わないのはなぜかに載せています。
りゅうの答えは、「できる限りお金を考えないようにするのがベスト」と言ったあとに「でも難しいと思う」と認め、「最終的な逃げ場や逃げ道」を考える、という組み立てです。この記事の「考える日を決める」は、りゅうの答えではなく編集部の提案で、向きが少し違います。逃げ道を「いちばん悪い場合に、誰に相談し何をするかが決まっている状態」と読んだのも編集部で、後半の窓口の節はその読み方で置いています。
架空の例:給料日の5日前になると、同じ計算を繰り返していた原田さん
編集部が作った架空の例です。実在の相談や、受講生の事例ではなく、結果を示すものでもありません。
原田さんの計算は、給料日の5日前に始まります。残高から引き落としを引き、足りるはずだと分かっても、1時間後にまた同じ計算をしていました。計算の回数は、月の後半ほど増えました。
ある夜、原田さんは浮かんだ不安を紙に書き出しました。4行になりました。「今月のカードの引き落とし」「60代になったときに暮らせるのか」「同期は家を買ったのに自分は賃貸のまま」「いくらあれば安心なのか分からない」。繰り返していた計算は1行目のことなのに、頭の中では4行が同時に鳴っていました。
1行目の横に、引き落とし日と、どの口座から払うかを書きました。2行目の横には、次の給料日の翌日を「考える日」として書きました。3行目と4行目には印だけを付け、今日は扱わないと決めました。翌月、原田さんが手当てとして書いたのは、やはり1行目の1行だけです。計算が始まらなくなったわけではありません。
「お金の不安」の中身を、4つに仕分ける
原田さんの4行は、編集部の整理では次の4つに当たります。
画面が狭い場合は、表を左右にスクロールできます。
| 不安の中身 | 頭の中ではこう出る | 言えること | 印と今日の扱い |
|---|---|---|---|
| 今月の支払いの不安 | 引き落とし日と残高の計算が、1日に何度も始まる | 期日と額が決まっている。編集部の整理 | 「今」。支払日と、どこから払うかを1行書く。今日扱うのはこの行だけ |
| 何年も先の想像の不安 | 老後、病気、失業。場面が次々に入れ替わる | 心配の時間を1日30分に区切る2週間の訓練で、心配と不安の尺度の減り方が比較群より大きかった予備的な研究がある(お金の心配は対象外) | 「先」。考える日を1つ決めて書く。その日まで浮かんだら「〇日に」と書く |
| 人と比べて足りない気がする不安 | 同い年の収入、友人の家、SNSの旅行。自分の額は変わっていないのに足りなくなる | 英国の調査で、生活の満足度は収入の額より、似た人の中での順位と結びついていた。不安を測った研究ではない | 「比」。誰と比べたかを1人書く。今日は扱わない |
| いくらあれば安心か決まっていない不安 | いくら残っても安心が来ない。目標が「もっと」のまま | 編集部の整理 | 「基」。「いくらで安心か」は今は決めず「未定」と書く。今日は扱わない |
この表は編集部の整理で、分ければ不安が消えるという意味ではありません。1つの不安が「比」と「先」の両方にまたがることもあります。
心配の時間を1日30分に区切った、2週間の実験がある
マクゴーワンとベハーの研究(2013)は、心配しやすい傾向の強い53人を無作為に2つに分けました。1つ目の群は2週間、毎日30分、時間と場所を決めた「心配の時間」に心配を回す訓練を受け、もう1つの群は浮かんだ心配を避けないように、という指示を受けました。訓練後、1つ目の群は心配、不安、ネガティブな感情の尺度で減り方が大きく、うつや肯定的な感情の尺度では差がありませんでした。著者らはこれを予備的な結果と位置づけ、より大きな治療の中で使う可能性を示しています。
お金の心配を調べたものではなく、2週間の短い研究で、訓練なしと比べたものでもありません。編集部が持ち帰るのは、「考える時間を決める」という形があるというところまでです。これを「決めた日まで持ち越す」に置き換え、表の「先」の行で日単位に伸ばしたのは編集部の読み替えで、研究が確かめた形ではなく、りゅうの「考えないのがベスト」とも向きが違います。
生活の満足度は、収入の額より、似た人の中での順位と結びついていた
ボイスらの研究(2010)は、英国の世帯パネル調査の1997年から2004年までの7年分、成人12,000人・延べ86,679件の回答を使い、生活全体への満足度(7段階)を何が予測するかを調べました。同じ地域、性別と学歴、年齢層といった似た人たちの中での収入の順位が満足度を予測し、収入の額そのものや似た人たちの水準との差は予測しませんでした。自分より上の人との比較のほうが重く効いていました。
測ったのは生活の満足度で、お金の不安ではありません。英国の相関で、順位を上げれば満足になると示したものでもありません。編集部の読み替えとして、「足りない気がする」は、額ではなく、誰を物差しにしたかから来ることがあると考えます。
りゅうも「比べて止まる人と比べても進む人の違い。りゅう自身が誰かと比べて苦しくなった時期はあるか」と聞かれ、後半にこう答えています(2026年7月31日の本人回答。問いの冒頭の一句と、前半の答え、あとに続く1文を省いています)。
僕も苦しくなったことはある。売上や稼いだお金の量で比べて悔しくなった時期はしんどかった。でもよく考えると、イーロンマスクに嫉妬しないように、手が届かない人には嫉妬しなかった。つまり、比べてしんどくなる相手は手が届きそうだと自分で思っている相手なんだよね。
売上や稼いだお金の量で比べた話で、家計について語ったものではありません。手が届きそうな相手で苦しくなるという本人の実感と、順位が効いていた調査を重ねたのは編集部です。比べる相手と物差しの分け方は他人と比べるのをやめたいときにあります。
今日できる1つの動作 今月の分だけ手当てして、先の分には日付を書く
- 浮かんだお金の不安を、「〜が不安」の形で1行ずつ書く。思いつく分だけで足ります。
- それぞれの横に、いつの話かを書く。今月の日付が書けるものは「今」。年の単位でしか書けないものは「先」。相手の名前が先に浮かぶものは「比」。「いくら」と書けないものは「基」。
- 「今」だけ、今日の手当てを1行で書く。支払日と、どこから払うか。払う方法が決まっていなければ「未定」と書き、下の窓口の節を読んでください。
- 「先」には、考える日を1つ書く。その日まで同じ不安が浮かんだら、「〇日に」とだけ書いて閉じます。
- 「比」と「基」は、今日は扱わない。書いてあるだけで足ります。
残高や明細の数字を1つ確かめる動作は、「お金の引き寄せが叶わないのはなぜか」の記事にあります。考える日と、その日にやることを1文に結ぶ書き方はIf-Thenプランの作り方にあります。
支払いが止まりそうなとき、返済が追いつかないとき
返済が追いつかない、家賃や公共料金が払えない、督促が来ている。こうした場合は、不安の仕分けより先に、公的な相談窓口を使ってください。波動や自分の工夫の問題として、ひとりで抱え込む話ではありません。
- 借金や多重債務の相談先は、金融庁「多重債務についての相談窓口」が、全国の財務局の相談窓口や法テラスなどをまとめています。
- 法テラス・サポートダイヤル 0570-078374(IP電話からは03-6745-5600、平日9時〜21時・土曜9時〜17時)。問い合わせの内容に応じて、法制度や相談先を無料で案内しています(通話料は自己負担で、個別の法律相談は行っていません)。
- 家賃が払えない、仕事が見つからないなど、暮らし全体で困っているときは、厚生労働省の生活困窮者自立支援制度のページが、お住まいの地域の相談窓口への相談を案内しています。
この記事は、法律相談でも家計の相談でもありません。
この記事が約束しないこと
このとおりにすれば不安が消える、お金に困らなくなる、とは書きません。「不安を感じると不安な現実を引き寄せる」「お金の心配は波動を下げる」が本当か嘘かも決めません。投資や保険、貯金の額や家計の具体的な方法、金融商品やアプリも勧めず、いくらあれば安心かの目安も出しません。あなたを性格や育ち、診断名で説明することもしません。引用した研究はお金の不安そのものを調べたものではなく、りゅうの発言は事業のお金について語ったものを含みます。
不安が浮かんだあとに選ぶ捉え方や行動を見直したい方は、脳質改善セミナーの内容を確認することができます。セミナーは、お金の不安を消す方法やお金の増やし方を教えるものではありません。気分の落ち込みや眠れない状態が続く、生活に支障が出ているときは、ひとりで抱え込まず、医療機関や公的な相談窓口への相談を優先してください。相談先は、厚生労働省のまもろうよ こころが、電話やSNSの窓口を案内しています。脳質改善は医療ではなく、この記事は診断や治療ではありません。
よくある質問
お金のことは、考えないようにしたほうがいいですか?
りゅうは、「今月あといくら」で頭がいっぱいの人への言い方を聞かれて、「できる限りお金を考えないようにするのがベスト」「でも難しいと思うから」と答えています(2026年7月31日の本人回答。この質問への答えではありません)。この記事の「考える日を決める」は編集部の読み替えで、りゅうの答えとは向きが少し違います。心配の時間を区切った2週間の予備的な研究を手がかりにしていますが、お金の心配を調べた研究ではなく、効果を約束するものでもありません。
不安を感じた直後に、お金のことで嫌な出来事が起きました。引き寄せたのでしょうか?
その記憶があっても、不安が出来事を引き寄せたという因果は確かめられません。不安を感じていなかった日に起きた出来事と比べる方法がないからです。この記事は、引き寄せたかどうかを決めず、不安の中身を分けるところから始めます。
不安を4つに仕分ければ、お金の不安は消えますか?
約束しません。仕分けて分かるのは、今日扱う分と、今日は扱わない分までです。今月の支払いの手当てを書いても、先の想像や人との比較の不安は残ります。いくらあれば安心かの金額の目安も、この記事では出しません。
支払いが止まりそうです。仕分けより先に何をすればいいですか?
公的な相談窓口を先に使ってください。借金の整理は、金融庁が全国の財務局の多重債務相談窓口や法テラスなどを案内しています。法テラス・サポートダイヤル0570-078374は、法制度や相談先を無料で案内しています(通話料は自己負担です)。暮らし全体で困っているときは、お住まいの地域の生活困窮者自立支援の相談窓口があります。
不安は残したまま、今月の1行だけ先に終える
4つが同時に鳴っているあいだは、不安が全部に見えます。今月の支払いを1行書き、先の分に日付を書いたあとも、鳴っている音は減らないかもしれません。それでも、今日の分として決めた1行は書き終えていることがあります。残りは、決めた日に、決めた分だけ考えればいい、と編集部は考えます。