叶わないのは、ブロックが残っているからとは限らない
「お金が入ってきました」と毎朝唱えた。財布を新調した。お金のブロックを外すワークも受けた。それでも暮らしは変わらず、「まだブロックが残っているから」と言われる。先に答えます。お金の引き寄せが叶わない理由を、あなたの中に残ったブロックに求める必要はありません。
願うことで動くのは、主に自分の注意です。入ってくるお金には、雇い主や取引先の決定、景気、時間、そして自分の行動が関わり、その多くは願い方を変えても動きません。そして「お金のブロック」と呼ばれているものの中身は、1つではありません。お金についての思い込み、お金の心配で頭がふさがること、見たくない数字を見ていないこと、自分では動かせないこと。この4つが1語にまとめられ、確かめようがないものと、今日確かめられるものが、同じ名前で呼ばれています。
約束できる範囲も先に書きます。この記事を読んでも、収入、貯蓄、金運は上がりません。いくら貯めるか、何にお金を回すか、どう増やすかという助言もしません。扱うのは、ブロックという測れない言葉を、確かめられる日々の行動に翻訳するところまでです。
願い全般を、動かせることと動かせないことに分ける手順は願いが叶わないのはなぜかに、金運を含む運の話は運が悪いと感じる理由にあります。このページは、お金に限ります。
りゅうにも、お金を握りしめていた時期がある
脳質改善を提唱するりゅうは、フリーターだった頃、おにぎりを1つ買うのにも迷う生活をしていました。起業してしばらくは、お金を手に入れることがそのまま目的でした。2026年7月27日の本人回答で、こう振り返っています(以下、本人の言葉は、言いよどみと文頭のつなぎの言葉だけを省いています)。
お金ってものに執着してたし、お金を手に入れるっていうことが正義だった。もちろん、それである程度はうまくいきました。
同じ回答で、収入はあるところで「ピタッと止まっちゃった」、そこから「どんどん下がっていった」と話しています。その頃に強かったのは、お金そのものへの欲求ではありませんでした。もっと稼げば尊敬されるのではないか、自慢できるのではないか。認められたい気持ちのほうだったと、本人は振り返っています(同日の別の回答の編集部要約。金額は省いています)。
りゅうが手放したのは、「お金が一番だ」という思い込みです。切り替えた後、最初に変わったものとして本人が挙げたのは、数字ではなく、自分から出る言葉と、やることの選び方でした。
「これはお金を稼げるからやろう」とかそういうのじゃなくて、「これは自分がこういう気持ちになるし、相手もこういう気持ちになって、お互いウィンウィンだからやろう」とか、そっちの方向に変わってったかな。
お金を追うな、という話ではありません。りゅうは2026年7月31日の本人回答で「最初は追ってもいいかな。ただ、どこかのタイミングでお金以外を目的にしないと、どこかのタイミングで心が折れたり、めんどくさくなったりする。」と話しています。一言で言い切るならと聞かれた答えは「お金ではなく価値を追いましょう。」でした。資金繰りが崩れた時期を振り返った別の回答には、「お金、お金、お金となっていると、逆にお金は入ってこないのだと思いました。」という言葉もあります(2026年7月17日の本人回答)。本人が自分の事業について持った実感で、読者の収入を予測する言葉ではありません。
3つとも、研究で確かめられた法則ではありません。価値を追えば収入が増える、という意味で載せているのでもありません。切り替えた後の収入について本人が語っている内容は、このページには載せていません。1人の経験を、読者の収入の見通しとして読ませたくないからです。
りゅう自身も「お金面でのマインドブロック」という言い方をします(2026年9月5日の本人発言)。ブロックという言葉も、引き寄せも、退けてはいません。そのうえで、願うだけでは変わらず行動が要る、というのが本人の立場です。引き寄せそのものの検討は引き寄せの法則は効果がないのかにあります。
「お金のブロック」の中身を4つに分ける
「ブロックがある」と言われても、どこを見直せばいいのかが分かりません。ブロックは測れないので、外れたかどうかも確かめられず、叶わない限り「まだ残っている」と言えてしまいます。この形の説明に終わりがない理由は、原因を願いの側に置くか、行動の側に置くかの比較に書きました。
そこで、ブロックという1語を、日々の場面に出てくる4つのものに分けます。下の表は編集部の整理で、学術的な分類ではありません。
画面が狭い場合は、表を左右にスクロールできます。
| ブロックと呼ばれているもの | 日々の場面ではこう出る | 確かめられるか | 今日できる1動作 |
|---|---|---|---|
| お金についての思い込み | お礼や謝礼を反射的に断る。立て替えた分を言い出せない。値段の話になると話題を変える | 一部は確かめられる。思い込みは文にできる | 浮かんだ思い込みを1文で書き、誰の口ぐせだったかを横に書く |
| お金の心配で頭がふさがっている | 引き落とし日のことが1日じゅう頭にある。書類を読む気力が残らない。ほかの判断が雑になる | 確かめられる。考えていた時間は数えられる | 心配を紙に書き出し、お金のことを考える時間を1日1回に区切る |
| 見たくない数字を見ていない | 明細の封筒を開けていない。残高を何週間も見ていない。次の引き落とし日を知らない | 確かめられる。見たか、見ていないか | 未開封の明細を1通だけ開ける |
| 自分では動かせないこと | 勤め先が昇給を決めるかどうか。景気。相手が支払うかどうか。宝くじの当せん | 動かせないと分かったら、そこで終わり | 「動かせない」と書いて、ブロックの一覧から外す |
上の3つは、自分の側にあります。ただし、自分の側にあることと、自分のせいであることは別です。思い込みは、自分で選んで持ったものとは限りません。お金の心配は、お金が足りない状況にいれば誰にでも起きます。
4つのそれぞれについて、研究で言えること、言えないこと
お金についての思い込みは、人によって違う
Klontzらの研究(2011)は、422人に72項目のお金に関する信念への同意の度合いを尋ね、4つの型を取り出しました。お金を避ける、崇拝する、地位とみなす、用心深い、の4つです。避ける型には「自分はお金を持つに値しない」、崇拝する型には「お金はすべての問題を解決してくれる」といった項目が入っています。「お金は汚い」のようにブロックと呼ばれるものは避ける型に、りゅうが手放した「お金が一番だ」は崇拝する型に近い、と編集部は見ています。論文の分類ではなく、編集部の当てはめです。ブロックという言葉が指すものは、お金を遠ざける向きだけではありません。
この研究では、4つのうち3つの型が、収入や純資産の低さと関連していました。ただし、米国のウェブ調査で、回答者は高学歴の白人の既婚女性に偏り、信念も収入も自己申告、1時点の関連です。著者ら自身が、信念が先か、収入の低さが先かは判定できないと書いています。「思い込みを外せば収入が上がる」の根拠としては読めません。言えるのは、お金についての思い込みは人によって違い、文にして確かめられる、というところまでです。
お金の心配は、頭の空きを使う
今月の支払いのことで頭がいっぱいの人に何と言うかを聞かれて、りゅうはこう答えています(2026年7月31日の本人回答)。
お金の不安を抱えてる時は確実にIQが下がるから、できる限りお金を考えないようにするのがベスト。でも難しいと思うから、最終的な逃げ場や逃げ道のことを考えると上手に前に進めると思います。
「確実に」も「IQ」も、本人の実感を表した言い方です。測定や診断の話ではありません。向きが重なる研究はあります。Maniらの研究(2013)の実験では、お金のやりくりについて考えさせると、貧しい参加者では認知課題の成績が下がり、暮らしに余裕のある参加者では下がりませんでした。同じ農家を収穫の前後で比べた調査でも、お金がない収穫前のほうが成績が低かった。著者らは、お金の心配ごとが頭の容量を使うためではないかと述べています。
ただし、議論が続いています。WichertsとScholtenのコメント(2013)は、実験のデータを所得で2つに分けずに分析し直すと結果が裏づけられないと指摘し、著者らは同じ号で反論しました。O'Donnellらの追試(2021)は、欠乏の心理的な影響を扱った関連研究から無作為に選んだ20件をやり直し、有意な結果が再び得られたのは4件だったと報告しています。
研究の側から言えるのは、その向きの報告があり、議論が続いているところまでです。どちらの立場でも、責める場所は変わります。お金の心配で判断が鈍っていると感じるとき、足りていないのは波動でも意志でもなく、頭の空きなのかもしれません。
見たくない数字は、見なくなる
Karlssonらの研究(2009)は、北欧と米国の投資家が、相場が上がっている時期のほうが、横ばいや下がっている時期より頻繁に自分の口座を確認していたと報告しました。悪い知らせがありそうなときほど情報を避けるこの傾向は、ダチョウが頭を砂に隠すという言い伝えにちなんで、オーストリッチ効果と呼ばれています。調べたのは投資家の口座の確認で、家計の明細や借金、引き寄せを調べたものではありません。投資を勧める意図で引いているのでもありません。借りているのは、悪い数字がありそうなときほど、人は見なくなりやすいという観察だけです。
りゅうは、見ないことを丸ごと否定していません。見れば見るほど不安になるものや、考えても取り返しがつかないものは、見ない方がいいことも多いと話しています(2026年9月3日の本人回答)。編集部の提案は、考え続けることと、1回確かめることを分けることです。1日じゅうお金の心配をしているのに、明細は1度も開けていない。そういう組み合わせは起こりえます。見る時間を決めて1つだけ確かめ、終わったら閉じる。現実を見ることと現実に支配されることの違いについてのりゅうのたとえは、願いが叶わないのはなぜかに載せています。
動かせないことは、ブロックではない
勤め先が昇給を決めるかどうか、景気、相手が支払うかどうか、宝くじの当せん。これらは、願い方やブロックとは関係なく決まります。りゅうも、宝くじが当たるかどうかは自分の範囲の外のことだ、と線を引いています(本人の言葉は運が悪いと感じる理由に掲載)。ここが理由で変わらなかったのなら、外すべきブロックは初めからありませんでした。
架空の例:ブロックを外すワークを3つ受けたBさん
編集部が作った架空の例です。実在の相談や、受講生の事例ではありません。
Bさんは1年ほど、毎朝「お金が入ってきました」と唱え、財布を買い替え、お金のブロックを外すというワークを3つ受けました。暮らしは変わりませんでした。最後のワークで言われたのは、「まだ深いところにブロックが残っている」。Bさんは次のワークを探し始めました。
Bさんのブロックを4つに分けます。
- 思い込み。「お金の話をするのは、はしたない」。文にしてみると、母親の口ぐせでした。Bさんは、友人に立て替えた食事代を3か月言い出せずにいます。
- お金の心配。引き落とし日の前の週は、仕事中もそのことが頭にあります。
- 見ていない数字。カードの明細を、しばらく開いていません。使いすぎているかどうかより前に、見ること自体が怖い。
- 動かせないこと。勤め先が昇給を決めるかどうか。
1年間、Bさんは願いを毎朝確認していました。明細は1度も確認していませんでした。
Bさんが選んだのは、明細を1通開けることでした。開けても、収入は変わりません。変わったのは、「たぶんひどいことになっている」という想像が、紙に印刷された1つの数字に置き換わったことだけです。その数字をどうするかは、次の話です。今日はそこで終わりにします。
今日やるのは、5分で終わる確認を1つだけ
りゅうは、ただ願うことと考えることの違いを「それを引き寄せるための行動まで見えるかどうかかな。」と話しています(2026年7月31日の本人回答)。「お金が欲しい」「ブロックを外したい」のままでは、今日の行動が見えません。見える大きさまで下ろします。
- お金のブロックだと思っているものを、1文で書く。「自分にはブロックがある」ではなく、どの場面で何が起きるかを書きます。
- 表の4つのどれに近いかを選ぶ。迷ったら「見たくない数字を見ていない」に入れます。
- 5分で終わる確認を1つ選ぶ。未開封の明細を1通開ける。次の引き落とし日を1つ確かめる。立て替えたままのお金がないか思い出す。思い込みの文の横に、誰の口ぐせだったかを書く。
- いつ、どこでやるかを1文にする。「今夜、夕食の片づけが終わったら、机で封筒を1通開ける」。
- 終わったら閉じる。続きを考えるのは、次に決めた時間にします。
4つ目は、実行意図と呼ばれる書き方です。GollwitzerとSheeranのメタ分析(2006)で、行動の開始を助けることが報告されています。報告されているのは、決めた行動が実行されやすくなるという範囲で、お金が入ってくるという話ではありません。文の作り方はIf-Thenプランの作り方にあります。
財布も、アファメーションも、やめなくていい
財布を整える、唱える、神社で手を合わせる。気持ちが切り替わると感じているなら、続ける理由として十分です。唱える言葉について言えることと言えないことは、アファメーションに効果はあるのかに分けています。
見直したいのは1つだけです。変わらなかった理由を、ブロックの残りにしないこと。そして、「まだブロックが残っている」という説明と一緒に追加の支払いを勧められたときは、その場で決めずに持ち帰ってください。勧誘で困ったときに使える公的な窓口は、スピリチュアルに疲れた人へにまとめています。ワークや鑑定を提供する人が皆そうだ、という意味ではありません。
借金の返済や生活費で困っているとき
返済が追いつかない。生活費が足りない。督促が来ている。こうした場合は、引き寄せやブロックの問題として抱え込まず、公的な相談窓口を先に使ってください。政府広報オンラインは、借金が重なると1人では冷静な判断ができなくなることもあると述べたうえで、無料の多重債務相談窓口が全国にあること、相談者と相談内容の秘密は守られることを案内しています。
- 消費者ホットライン 188。最寄りの消費生活センターなどにつながります。
- 法テラス・サポートダイヤル 0570-078374。問い合わせの内容に応じて、法制度や相談先を案内しています。
- 財務局や自治体の多重債務相談窓口。一覧は金融庁「多重債務についての相談窓口」にあります。
同じ記事は、必要に応じて、自治体の生活困窮者自立支援の相談窓口につないでもらえることにも触れています。りゅうの言う「逃げ場や逃げ道」を先に確かめておく意味でも、窓口を知っておいてください。この記事は、法律相談でも家計の相談でもありません。
この記事が約束しないこと
4つに分ければお金が入ってくる、とは書きません。引用した研究は、お金についての信念、お金の心配と認知課題の成績、情報を避ける傾向、行動の開始を扱ったもので、この表の効果を確かめたものではありません。りゅうの発言は本人の経験と見立てです。収入には、雇い主や取引先の判断、景気、時期、体調、そして偶然が関わります。
お金より手前にある、捉え方や行動の土台から見直したい方は、無料セミナーの内容を確認することができます。収入や成果を保証するものではありません。気分の落ち込みや眠れない状態が続く、生活に支障が出ているときは、願い方やブロックの問題として抱え込まず、医療機関や公的な相談窓口への相談を優先してください。脳質改善は医療ではなく、この記事は診断や治療ではありません。
よくある質問
お金の引き寄せが叶わないのは、お金のブロックがあるからですか?
そうとは限りません。願うことで動くのは主に自分の注意で、入ってくるお金には雇い主や取引先の決定、景気、自分の行動が関わります。ブロックは測れないため、外れたかどうかを確かめることもできません。見直すなら、お金についての思い込み、お金の心配、見ていない数字、動かせないことの4つに分け、確かめられるものから始めます。
お金のブロックの外し方を教えてください。
この記事が提案しているのは、外し方ではなく分け方です。ブロックが外れたかどうかは確かめられませんが、未開封の明細を1通開けたか、思い込みを1文で書いたかは確かめられます。こうした確認をしても、収入や金運が上がるとは約束しません。変わるのは、分からないままの不安が、分かっている事実に置き換わるところまでです。
お金が欲しいと強く願うのは執着で、かえって逆効果ですか?
りゅうは、お金を追うこと自体を否定していません。「最初は追ってもいいかな」と話したうえで、どこかでお金以外を目的にしないと、心が折れたり面倒になったりすると続けています。これは本人の経験からの見立てです。強く願ったせいでお金が遠ざかることを確かめた研究を、編集部は確認していません。
お金のことを考えると不安になります。見ないほうがいいですか?
りゅうは、お金の不安を抱えている間は、できる限りお金のことを考えないのがいいと話しています。見れば見るほど不安になるものは見ない方がいいことも多い、とも言っています。編集部の提案は、考え続けることと、1回確かめることを分けることです。見る時間を決めて1つだけ確かめ、終わったら閉じます。
借金の返済や生活費で困っています。引き寄せやブロック解除を続けるべきですか?
先に公的な相談窓口を使ってください。政府広報オンラインは、無料の多重債務相談窓口が全国にあり、相談者と相談内容の秘密は守られると案内しています。消費者ホットライン188や、法テラス・サポートダイヤル0570-078374があります。願うことをやめる必要はありません。ただ、返済や生活費の問題を、願い方やブロックの問題として1人で抱え込まないでください。
ブロックを外す前に、見ていない数字を1つ
お金のブロックだと思っているものを1つ選んで、4つのどれに近いかを見てください。動かせないことなら、それはあなたの願い方とは関係なく決まっていました。残りの3つのどれかなら、5分で終わる確認を1つだけ、今夜やる。そこから先は、分かったことを見て決められます。
引き寄せと脳の働きの関係を広く知りたい方は引き寄せは脳科学で説明できる?へ。よく言われる主張を1件ずつ確かめた一覧はよくある誤解の検証にあります。