先に、この記事の立場

引き寄せは嘘だ、とは書きません。効きます、とも書きません。どこまでが説明でき、どこからが説明できないかを分けます。 「効果がない」と検索した人が本当に知りたいのは、たいてい自分のやり方が悪かったのかどうかだからです。そこに先に答えます。

やり方が足りなかった、とは限らない

うまくいかなかったとき、多くの説明は「願い方が足りない」「疑いがあるから」 「まだ潜在意識が書き換わっていない」と、本人の内側に理由を戻します。 この形の説明には終わりがありません。うまくいけば方法のおかげ、 うまくいかなければ本人のせいになるので、反証できないからです。

研究の側からは、それとは別の説明ができます。理想の未来を肯定的に、鮮明に思い描くこと自体が、かえって行動へのエネルギーを下げる場合があると報告されています。 思い描いた時点で満たされてしまい、そこへ向かう努力が減る、という説明です。

2002年の研究は、就職活動中の卒業生、片思いの学生、試験を控えた学生、 手術を受けた患者という4つの場面で、2つを分けて測りました。「実現しそうだ」という見通しは、努力の量や達成と結びついていました。 一方、鮮明で心地よい空想は、逆の関係を示しました。 同じ「未来を考えること」でも、向きが違います。

それでも、意識すると見え方は変わる

引き寄せを体験した人の実感は、多くの場合こう語られます。 「意識したら、関係する情報が急に目に入るようになった」。これは起きます。 注意が、行動に関連する刺激を選ぶ仕組みは神経科学で検討されています。

ただし、見えるものが変わったことは、外界が変わったことの証拠にはなりません。ここを混ぜると、説明できる範囲と説明できない範囲がつながって見えます。 詳しくは引き寄せの法則は脳科学で説明できるかに分けて書きました。

効かなかったものを、効く形に下ろす

願うことは否定しません。問題は、願いが今日の行動が決まる大きさまで下りていないことです。 「年収を上げる」は願いですが、今日やることが決まりません。

  1. 願いを1つだけ残す
    複数を同時に願うと、どれも今日の行動になりません。いま一番手前にある1つに絞ります。
  2. 叶った状態ではなく、障害を1つ書く
    「叶ったらどんな気分か」ではなく「何が邪魔しているか」を書きます。ここで空想から現実へ降ります。
  3. いつ・どこで・何をするかまで決める
    「営業する」ではなく「木曜の朝、席に着いたら、1件だけメールを送る」。 この形にしておくと、行動の開始を助けることが報告されています。
  4. できたかどうかではなく、条件を見直す
    できなかった日は、意志ではなく時間・場所・大きさのどれか1つを変えます。

約束しないこと

この手順を踏めば願いが叶う、とは書きません。行動が増えることと、望んだ結果が出ることは別だからです。 結果には、相手・市場・体調・運が関わります。私たちが扱えるのは、そのうち行動の部分だけです。

気分の落ち込み、強い不安、眠れない状態が続いているときは、 願い方や考え方の問題として抱え込まず、医療機関や公的な相談窓口へご相談ください。

よく言われる主張を1件ずつ検討したものはよくある誤解の検証に、 引き寄せと脳質改善の違いは脳質改善と「引き寄せの法則」は何が違うかにあります。