同じ名前で呼ばれている、別の2つ
アファメーションを調べると「心理学的に効果が実証されている」と書かれた場所に行き当たります。 ここには、名前が似ているだけの別のものが混ざっています。
- 唱えるほうのアファメーション — 「私は成功する」「私は豊かだ」を繰り返し自分に言い聞かせる
- 心理学の self-affirmation — 自分が大切にしている価値(家族、正直さ、創作など)について 短く書く。自分が脅かされている場面で、自分の全体を思い出すための手続き
後者は、脅威にさらされた場面での効果が検討されてきた研究群です。 扱っているのは望む結果を唱えることではなく、自分が何を大事にしているかを確認すること。 目的も手続きも違います。前者の効果を語るために後者の研究を引くのは、 名前の一致を根拠にしていることになります。
唱えることについて、言えること
肯定的な言葉を唱えれば望む結果が起きる、と言い切れる一次資料を、私たちは確認できていません。確認できていない、であって、間違いだと証明した、ではありません。ただし、根拠としては使いません。
逆向きの報告なら手元にあります。理想の未来を肯定的に、鮮明に思い描くこと自体が、 かえって行動へのエネルギーを下げる場合がある、というものです。 「もう手に入った」という感覚が先に満たされると、そこへ向かう力が減る、という説明です。 唱える内容が実現した状態そのものであるほど、この向きに近づきます。
信じられない言葉を繰り返すと、どうなるか
毎月の支払いに追われている人が「私は豊かだ」と唱えると、唱えるたびに現状との差が確認されます。 言葉が事実と離れているほど、この差は大きくなります。そこで生まれるのは自信ではなく、言っていることと現実が合っていないという感覚です。
運営者本人の立場は、書き換える前にまず土台を整えることが必要だ、というものです。 言葉を変える前に、生活・環境・手順の側で確かめられるものを1つ作るほうが先だ、という順番です。
唱えたいなら、こう変える
- 結果ではなく、行動を言葉にする
「私は売れている」ではなく「私は毎朝1件、連絡を入れる人だ」。確かめられる形にします。 - いつ・どこで・何をするかを入れる
「木曜の朝、席に着いたら、1件だけメールを送る」。この形は、行動の開始を助けることが報告されています。 - 大切にしている価値のほうを書く
望む結果ではなく、自分が何を大事にしているか。うまくいかなかった日に効きます。 - 唱えた回数を成果と数えない
数えるのは、実際に起きた行動のほうです。
否定はしません
言葉が自分を支えることはあります。ここで書いたのは、唱えることを科学的に実証された方法として紹介しないという、私たちの側の規律です。 効くと言えないものを効くと書けば、うまくいかなかったとき、その理由は 「唱え方が足りない」という本人の側へ戻っていきます。それをしないための線引きです。
同じ形の検討はRAS(網様体賦活系)は引き寄せの正体かにも、 主張ごとの判定はよくある誤解の検証にあります。