If-Thenプランは、目標を「始める場面」へつなぐ計画
「今日は勉強する」と決めたのに、問題集を開かずに夜になった。 そんなとき、予定に書き足せるのがIf-Thenプランです。「もし、この場面になったら、この行動をする」と、合図と行動を一組にします。 心理学でいう実行意図にあたります。
りゅうは受講生の継続について話す中で、意志の強弱より「このタイミングでこれをやる」という時間の置き場所に注目しています。 これは2026年8月18日の対談で語った本人の見立てです。すべての人の継続を説明する研究結果ではありません。
GollwitzerとSheeranのメタ分析では、状況と行動を先に結ぶ実行意図が目標達成を助ける傾向が報告されています。 ただし、計画を一文書けば成果が出るという保証ではありません。 以下の記入欄と具体例は、研究の形式を日常で試すために編集部が作った実践案です。
If-Thenプランの作り方:4つの欄を埋める
- 進めたいことを一つ選ぶ。「生活を変える」ではなく「英語の問題集を進める」まで絞ります。自分が取り組みたい目標かも確かめます。
- 気づける合図を選ぶ。「余裕ができたら」ではなく「夕食の皿を片づけたら」。その場で起きたと分かる出来事にします。
- 最初の動作を書く。「集中する」ではなく「机で問題集を開き、一問目を読む」。成果や気分ではなく、手や目をどう動かすかを書きます。
- 合図の直後にできるか確認する。その場所に道具があるか、次の予定とぶつからないかを見ます。難しければ合図か動作を調整します。
進めたいこと:____
もし【合図:____】になったら、
【場所:____】で【最初の動作:____】をする。
合図は時刻でも構いません。ただ、「21時」が毎日会議とぶつかるなら、時刻にこだわらず 「最後の会議を終えて予定表を閉じたら」と書けます。合図を考える前に止まる理由を整理したい方は、わかっているのに行動できない原因を参照してください。
勉強・仕事・片づけの記入例
| 取り組み | 合図が曖昧な計画 | If-Thenプランの例 |
|---|---|---|
| 勉強 | 夜に英語を頑張る | 夕食の皿を片づけたら、机で問題集の一問目を読む |
| 仕事 | 時間ができたら資料を作る | 朝の予定確認を終えたら、資料ファイルに見出しを一つ書く |
| 片づけ | 気が向いたら部屋をきれいにする | 帰宅して鍵を置いたら、机の紙を一枚だけ所定の箱へ入れる |
一問や一枚は、この例で入口を明確にするための量です。研究で決まった最適量ではありません。 入口を通れたら続けても構いませんし、そこで終えても「始められた」という記録は残せます。 目標を達成したかどうかは、その記録と分けて見ます。
実行できなかったら、どこを書き直す?
計画が動かなかった日は、「やる気が足りなかった」で閉じず、実際にどこで止まったかを書きます。
- 合図そのものが起きなかった:残業で夕食の流れが変わるなら、次に起きる別の出来事へ置き直します。
- 合図には気づいたが道具がなかった:問題集を机に置く、必要なファイルを開ける状態にする、と準備を変えます。
- 行動が重すぎた:「一章解く」を「一問目を読む」へ縮め、同じ合図で試します。
最初は一つだけ変えると、次に何が違ったかを比較できます。 できたかどうかと条件の残し方は習慣化の記録方法にまとめています。 中断が続いたあとの戻り方は三日坊主から再開する手順へどうぞ。
研究で分かることと、この計画の限界
実行意図は始め方を決める計画です。一方、WoodとRüngerの習慣研究レビューは、同じ文脈での反復と習慣の関係を整理しています。計画を作ることと、行動が習慣になることは同じではありません。ここで紹介した具体的な記入例自体を検証した研究でもありません。
行動の難しさには、必要な技能、時間、家庭や仕事の事情も関わります。 強い疲労や心身の不調が続いているときは、実行のルールを増やして自分を追い込まず、休息や専門的な相談を優先してください。
よくある質問
If-Thenプランは『毎日勉強する』と何が違いますか?
毎日勉強する、は目標です。If-Thenプランは『夕食の皿を片づけたら、机で問題集の一問目を読む』のように、実際に気づける合図と最初の行動を結びます。目標を置き換えるものではなく、始め方を決めるための計画です。
If-Thenプランは何個作ればいいですか?
この記事では、最初は一つの場面に一つの行動を決める方法を提案します。最適な個数が一つと研究で決まっているわけではありません。実行できた条件を確認してから、必要なものを追加してください。
決めた時間を逃したら、どうすればいいですか?
その日の計画をすべて失敗とせず、次に起きる場面へ合図を置き直します。たとえば朝に読めなかったら、帰宅後にかばんを置いたとき、本を一段落読む計画へ調整します。休息や安全を優先する必要がある日は見送れます。