好きな人ができないことを、波動や魂やブロックのせいにしなくていい

人と会っても、誰にもときめかない。恋の話を聞いても、自分にはその気持ちがよく分からない。「好きな人ができないのは波動が低いから」「魂が恋愛を拒んでいる」「心のブロックがある」と読んで、人を好きになれない自分を責め始めている。好きな人ができないことは、あなたの心が欠けている証拠とは限りません。編集部の整理では、「好きになる」には少なくとも4つの中身があります。ときめきの強さ、一緒にいて楽か、会う回数と場面、恋愛したいのは誰の期待か、です。どれか1つが空いているだけでも、「好きな人がいない」という同じ言葉になります。

書くのは、「好きな人ができない」という1文を4つに仕分けて、今日1つだけ動く手順です。好きな人や恋人ができる方法は扱わず、恋愛をしない生き方も1つの選び方として扱います。恋人や出会いを引き寄せたい話は恋愛の引き寄せがうまくいかないのはなぜかに、好きになれない自分を責める文が止まらないときは自己否定をやめたいときにあります。

「波動が低い」「魂が拒んでいる」「心のブロック」が指しているもの

スピリチュアルの文脈では、好きな人ができないのは波動が下がっているから、魂が今は恋愛を望んでいないから、心のブロックが恋愛を止めているから、と説明されることがあります。今は自分と向き合う時期だ、という読み方もあります。この記事は、その世界観を否定しません。ただ、波動の高さも、魂の望みも、ブロックの有無も、確かめる方法を編集部は知りません。本当とも嘘とも決めず、確かめられない説明として扱います。

困るのは、確かめられない説明が、自分を責める材料になりやすいことです。波動を上げる何かを続け、それでも誰も好きにならない日に、また自分を責める。何が起きていないのかを見る前に、原因だけが自分の中に置かれます。

脳質改善を提唱するりゅうは、「波動を上げれば引き寄せられる」という教えについて聞かれ、こう答えています(2026年8月1日の本人回答。冒頭の「うーん、」と以降を省いています)。

波動とか周波数っていうものはあるとは思うけど、なんかそれ、その目に見えないものだけに責任転嫁するのはやっぱり僕は違うと思う。

恋愛について語った言葉ではありません。原因を見えないものだけに置かない、という向きを、この記事は借りています。

最初にときめかなければ好きではない、とは限らない

「好きな人ができない」と言うとき、思い浮かべるのは、会った瞬間に胸が高鳴るような気持ちかもしれません。

スティンソンらの研究(2021)は、恋愛の始まりを扱う研究の多くが、知らない者どうしの間で火がつく恋に偏っている、と指摘しました。そのうえで、大学生とオンラインで募った成人の7つのサンプル、計1,897人をまとめて分析したところ、3分の2が友人関係から恋愛が始まったと答えていました。大学生の調査では、友人から始まる形がいちばん好まれていました。

編集部が確かめたのは論文の要旨の範囲で、友人だった期間にときめきがあったかどうかまでは分かりません。好きな人ができない人を調べた研究でもありません。編集部の読み替えとして持ち帰れるのは1点です。恋愛の始まり方は、出会った瞬間のときめきだけではない。ときめきが来ないことだけでは、人を好きになれない証拠になりません。

好意は、会ったあとのやりとりの中で育つ部分がある

ライスらの研究(2011)は、初対面の同性2人に、長さを変えて会話をしてもらう実験を2つ行いました。やりとりが多いほど、相手への好意は強くなっていました。その間をつないでいたのは、相手がこちらに応えてくれると感じること、やりとりの中で楽で満足していること、相手のことが分かってきたと感じること、の3つでした。

同性の初対面どうしの実験で、恋愛感情を測ったものではありません。会えば誰でも好きになれる、と示したものでもありません。編集部の読み替えでは、好意には、会う前の気持ちより、会ったあとの応え方や、いて楽かどうかの中で育つ部分があると考えています。人と話す場面そのものが少ない時期なら、好きな人ができないのは心の問題ではなく、場面が少ないだけかもしれません。何度会っても楽ではない相手を、無理に好きになる必要もありません。

「恋愛しなきゃ」は、誰の声か

苦しさは、「いないのはおかしい」という声が重なるときに強くなるのかもしれません。

デネットとガーメの研究(2025)は、「本当に幸せになるには恋愛関係が必要だ」という考えを、どれだけ当然と思っているかを調べました。4つの研究(恋人のいない641人、恋人のいる256人)で、この考えが強い人ほど独りでいることへの怖さが強く、その怖さが強い人ほど、日々の生活への満足が低い、という関連がありました。恋人のいる人でも同じ向きの関連が見られました。

調べたのは関連で、データは主に一時点のものです。どちらが原因かは決められない、と著者ら自身が書いています。スピリチュアルの説明を調べたものでもありません。編集部の読み替えとして、「恋愛しなければ」の声が、自分の望みなのか、どこかで当然とされてきた考えなのかを分けてみる価値はあると考えています。分けた結果、やはり恋愛したいと分かっても、今は要らないと分かっても、どちらも答えです。恋愛しないことを、欠けや失敗として数える必要はありません。

りゅうの言葉から引いた補助線 勉強より、今日の過ごし方

この節の2つの発言は、どちらも「好きな人ができない」悩みについて聞かれた答えではなく、そこから補助線を引いたのは編集部です。

りゅうは、脳質改善をやると決めた瞬間を聞かれた答えの中で、「一人ひとりに『こうすれば恋人ができる』『こうすれば結婚できる』といった個別ノウハウを教えることはできません。」と話しています(2026年7月の本人インタビュー。直前の「僕はすべての業界やテーマに詳しいわけではないので、」を省き、中のかぎかっこは原文の「」を『』に変えています)。扱うのは、脳の使い方や考え方という、そのさらに一段手前にある土台だ、というのが本人の説明です。

潜在意識の勉強や引き寄せのワークを何年も続けてきた人へ、いま一番言いたいことを聞かれた答えでは、こう話しています(2026年8月17日の本人回答。4つの段落のうち、最後の段落だけを引いています)。

だから、変わるために必要なのは、もっと勉強することではなく、今日の過ごし方を少し変えることなんじゃないかなと思います。

恋愛について話したものではありません。この記事は、今日誰とどこで過ごすかを少し変える、という向きを借りています。

「好きな人ができない」を仕分ける

画面が狭い場合は、表を左右にスクロールできます。

浮かぶ言葉中身言えること自分の担当
「誰にもときめかない」ときめきの強さ7つのサンプルの分析で、回答者の3分の2が友人関係から恋愛が始まったと答えた(要旨の範囲)。ときめきへの当てはめは編集部の読み替えときめかなかった人のうち、また会ってもいい人を1人書く
「会っても何も感じない」一緒にいて楽か初対面の同性どうしの実験で、楽さや応えてもらえる感じが好意とつながっていた最近会った人といて、楽だったかを短く書く
「そもそも出会いがない」会う回数と場面やりとりが多いほど好意が強まった実験がある。恋愛の実験ではない今月、人と話す場面が何回あったかを数える
「恋愛しないといけない気がする」誰の期待か恋愛が幸せに必要という考えと、独りへの怖さ、生活への満足の低さに関連があったその声が誰の声かを1行書く。恋愛しないと決めるのも答え
「好きになるのは、大事にしてくれない人ばかり」相手の選び方と、関係の安全この記事の範囲の外。下の節で安全の話だけ扱う暴力や束縛があれば、仕分けより相談を優先する

この表は編集部の整理です。右端の列をやれば好きな人ができる、という意味ではありません。

架空の例:「ときめかないから好きじゃない」と決めていたIさん

編集部が作った架空の例です。実在の相談や、受講生の事例ではありません。

Iさんは、ここ数年、誰かを好きになった記憶がありません。「好きな人ができないのは魂が恋愛を拒んでいるから」と読み、毎朝「私は愛を受け入れます」とノートに書きました。友人の集まりで話した人はいても、胸が高鳴らないのですぐ打ち消し、そのたびに自分はどこかおかしいのだと思っていました。

表に当てはめると、Iさんが見ていたのは1行目のときめきだけでした。2行目を書くと、集まりで何度か話した同僚とは、黙っていても気まずくない、と出てきました。3行目を数えると、仕事以外で人と話す場面は月に1回ほどでした。4行目の「恋愛しないと」の声は、よく読んでいた記事の言葉に近いものでした。Iさんが変えたのは1つです。次の集まりで、その同僚ともう一度ゆっくり話すことにしました。恋愛になるかは、この例でも分かりません。ならなくても、Iさんは欠けていません。変わったのは、「自分は人を好きになれない」という1つの文が、「ときめきだけで判断していて、会う場面も少なかった」という確かめられる1行に置き換わったことです。

今日できる1つの動作 「好きな人ができない」の下に4行書く

りゅうは、三日坊主で自分を責めてしまう人に何と言うかを聞かれ、「とりあえず毎日10秒、24時間のうち10秒でもいいから、そこに向き合う」ほうがいいと答えています(2026年8月1日の本人回答。前後を省いています)。続かない自分を責める人への言葉で、恋愛について話したものではありません。この手順も、短く書ける形にしています。

  1. 「好きな人ができない」と1行書く。その下に、表の4つの中身を並べます。
  2. ときめきの行に、最近会った人のうち、また会ってもいい人を1人だけ書く。いなければ「いない」と書きます。恋愛の相手として選ばなくてかまいません。
  3. 楽さの行と場面の行に、その人といて楽だったか、今月人と話す場面が何回あったかを書く。
  4. 期待の行に、「恋愛しなきゃ」が誰の声かを1行書く。恋愛したいかどうかは、書いたあとで自分で決めます。今は要らない、も答えです。

相手の気持ちを確かめる、好意を試す、といった動きはこの手順に入れません。起きたことと受け取り方を分ける考え方は事実と解釈を分ける方法にあります。

大事にしてくれない人ばかり好きになるとき、危ない関係にいるとき

好きになるのがいつも大事にしてくれない人だ、という悩みは、恋愛の引き寄せの記事で扱っています。

相手から、殴られる、怒鳴られる、お金や交友関係を制限される、といったことがあるなら、好きの中身を仕分ける前に相談を優先してください。配偶者からの暴力については、内閣府男女共同参画局の案内で、「#8008」(DV相談ナビ)に電話をすると、近くの都道府県の配偶者暴力相談支援センターにつながる、とされています。電話回線の種類によっては一部つながらない地域がある、とも書かれています。対象や制度は関係の状況によって異なります。交際相手など、ほかの関係で暴力や脅しがある場合も、1人で抱えず相談を優先してください。身の危険が迫っているときは110番へ。

この記事が約束しないこと

このとおりにすれば好きな人ができる、恋人ができる、とは書きません。「波動が低い」「魂が恋愛を拒んでいる」「心のブロック」が本当か嘘かも決めません。好きな人がいないことを、欠けや遅れとして扱いません。あなたを、性格や育ち、診断名で説明することもしません。引用した研究は、波動や魂やブロックを調べたものではありません。りゅうの発言は本人の見立てで、恋人ができる方法を示すものではありません。

恋愛の悩みより、その手前にある捉え方や行動の土台から見直したい方は、無料セミナーの内容を確認することができます。セミナーは恋人をつくる方法を教えるものではありません。気分の落ち込みや眠れない状態が続く、生活に支障が出ているときは、恋愛の悩みとして抱え込まず、医療機関や公的な相談窓口への相談を優先してください。脳質改善は医療ではなく、この記事は診断や治療ではありません。

よくある質問

好きな人ができないのは、波動が低いからですか?

波動が低いかどうかは確かめられないため、そうだとも、違うとも書けません。確かめられるのは、最近誰と会ったか、その人といて楽だったか、人と話す場面が何回あったか、「恋愛しなきゃ」が誰の声か、の4つです。

魂が恋愛を拒んでいる、心のブロックがある、と言われました。外さないといけませんか?

魂の望みやブロックの有無は、確かめる方法が分かっていません。その世界観は否定しません。ただ、外せたかどうかを確かめられない作業を続けるより、今日会う人や場面を1つ書くほうが、自分で確かめられます。好きな人がいない時期を、何かが詰まっている証拠として数えなくてかまいません。

恋愛感情がよく分からないのは、おかしいことですか?

おかしいと決める根拠を、編集部は持っていません。大学生などの7つのサンプル(計1,897人)をまとめた分析では、3分の2が友人関係から恋愛が始まったと答えていました。編集部の読み替えでは、最初から強いときめきが来る形だけが恋愛の始まり方ではありません。恋愛をしない生き方も、1つの選び方です。この記事は、気持ちが分からないことを性格や診断名で説明しません。

恋愛が怖い、恋愛が続かない、という場合も同じ考え方でいいですか?

同じ4つの仕分けを試せます。怖さは無理に消さなくてかまいません。続かないと感じるときは、ときめきの強さだけで続けるかどうかを決めていないかを、表の2行目と3行目で見直せます。関係の中で暴力や束縛があるなら、仕分けより相談窓口を優先してください。気分の落ち込みや眠れない状態が続くときは、医療機関や公的な相談窓口への相談を優先してください。

好きな人がいない日を、欠けている証拠にしない

好きな人ができない日を、波動や魂やブロックの答え合わせにしなくてかまいません。ときめき、楽さ、会う場面、誰の期待か。どこが空いているかが分かれば、自分を責めるのでも、無理に誰かを好きになろうとするのでもない、次の1つが残ります。

波動という言葉の扱いは波動を上げたいのに上がらないのはなぜかに、寂しさそのものの扱いは孤独は魂の成長期なのかに、片思いの相手がいる場合は片思いの引き寄せが叶わないのはなぜかにあります。