読めたことと、理由を説明できることは別
説明を読んでいるときは、よく分かる。でも「どうして、その順番なの?」と聞かれると、言葉が止まる。 自己説明学習では、そこで止まった箇所を手がかりにします。上手に話せる自分を見せるためではなく、自分がどう理解したかを確かめるための説明です。
りゅうは、脳質改善では「聞いて、実践し、経験から知識を吸収し、体で覚えることを重視しています」と語っています。 本記事の自己説明は、そのうち理解の曖昧さを確かめるための学習方法として紹介します。 りゅう本人が自己説明という研究上の方法を提唱した、説明するだけで行動が変わる、と述べているわけではありません。
りゅうは、自分を変えようと本や電子書籍、動画で学んでいた頃、いつの間にか聞いているだけで頑張った気持ちになり、学び続けていたと振り返っています。 本人の経験についての話で、学ぶこと全般を否定するものではありません。 また、その状態を自己説明学習によって解決した、という事例でもありません。
自己説明は、要約や丸暗記と何が違うか
ここでいう自己説明は、学んだ内容について「なぜそうなるのか」「前に知っていたこととどうつながるか」を、自分に向けて言葉にすることです。 単に同じ文を短くしたり、覚えた文章を繰り返したりすることだけを指しません。
- 要約
- 何が書かれていたかを、要点に絞って整理する。
- 自己説明
- その理由や手順のつながり、自分の例でどうなるかを説明する。
- 資料との照合
- 自分が加えた説明に、誤りや条件の抜け落ちがないか確かめる。
要約や暗記が不要になるわけではありません。用語や前提が分からないときは、まずその意味を学びます。 自分の説明が作れた後も、元の資料を確認せず「分かった」と決めないことが大切です。
短い一節で試す、自己説明の手順
- 確認できる資料を一つ選ぶ。入門書や公式の手順など、後で読み戻せるものにします。一度に章全体を説明しようとしません。
- 理由やつながりを説明する。「なぜこの順番か」「この用語は何と違うか」を短く言葉にします。資料を見ながらでも構いません。
- 言えない部分に印を付ける。知らない用語、つながらない理由、推測で補ったところを分けます。空白をもっともらしい説明で埋めません。
- 元の資料と照合する。必要な条件や例外が落ちていないかを見直し、根拠が見つからない説明は未確認とします。
- 一つの別例で確かめる。自分で作った例でも同じ説明が通るかを見ます。正誤を自分だけで判断できない内容は、指導者などへ確認します。
学んだ内容:___。自分の説明:___。説明できない点:___。読み戻す場所:___。確認後に直した説明:___。
この記入欄は編集部の実践案です。研究で定められた唯一の正しい様式ではありません。 説明に時間がかかりすぎるなら、範囲を一つの文や手順へ狭められます。全ページについて長い説明文を作ることを課題にしないでください。
条件を落とした説明を、元の文へ戻して直す例
以下は編集部が作った架空の学習例です。会社の実際の規則や顧客の事例ではありません。
- 読む資料の一文
- 共同作業のファイルは、担当者が内容を確認した後で、関係者だけに共有する。
- 最初の自己説明
- 共同作業だから、出来上がったら全員に送ればよい。
- 照合して見つけた抜け
- 担当者による内容確認と、共有先が関係者に限られる条件を落としている。
- 直した説明
- 作業が終わっただけでは共有しない。担当者の確認後、共有してよい相手を確かめて渡す。
さらに「なぜ関係者だけなのか」を説明したくなっても、資料に理由がなければ、自分の推測と区別します。 理由を知りたいなら規則の説明や担当者に当たり、書かれていない理由を正式な決まりとして広めないようにします。
別例として、共有先に新しい人が加わったときも同じ判断ができるかを考えられます。 ただし、学習のための例を、そのまま実際の情報共有の許可に使わないでください。実作業では所属先の手順と責任者の確認を優先します。
自己説明の研究で分かっている範囲
Chiらの研究では、中学相当の生徒が循環系についての文章を学び、自分で説明するよう促された群で、学習前後の理解の伸びが比較群より大きかったと報告しています。 対象と教材が限られた研究で、あらゆる人が何でも同じように理解できるという意味ではありません。
Rittle-Johnsonの研究では、児童の算数課題で、自己説明が別の問題への応用を助けました。 一方、別に測った概念知識の伸びには、同じような上積みが見られませんでした。 どの力を、どの課題で確かめたかを分けて読む必要があります。
本記事の仕事の記入例や、脳質改善の受講成果を直接検証した研究ではありません。 説明の流暢さ、正確な理解、実際の行動、その後の成果を一緒に数えないようにします。 医療・法律・安全などの専門判断を、自分の説明だけで済ませるための方法でもありません。
理解を確かめた後は、一度試す場面を決める
説明はできるのに実行で止まっているなら、知識を一度試すための記入シートへ。 始める場面を具体化したいなら、If-Thenプランの作り方へ進めます。 説明を聞いた人から指摘をもらったときは、フィードバックの整理方法も使えます。
学んだ内容を実践へつなぐ考え方に関心がある方は、脳質改善の無料セミナーをご覧ください。 知識の理解や行動の変化を保証するものではなく、医療行為でもありません。
よくある質問
自己説明は、人に教えないとできませんか?
自分に向けた説明でも行えます。短いメモや独り言で、理由やつながりを説明してみます。人に聞いてもらう場合も、話のうまさより、内容が資料と合っているか、不明点を見つけられるかを確認します。
自分の言葉で説明できないときは、どうしますか?
説明する範囲を一つの用語や手順に狭め、元の資料へ戻ります。分からないところを想像でつながず、何が分からないかを質問として残します。必要な基礎知識が足りない場合は、入門資料や指導者の説明を使ってください。
説明できたら、理解も実践も十分だと言えますか?
それだけでは言えません。滑らかに話せても内容が誤っている場合があり、説明と実際の行動も別です。元資料との照合、別の例での確認、必要なら実作業の練習まで分けて確かめます。