先に、この記事が言わないこと

「努力は必ず報われる」とは書きません。報われないことは実際にあります。 相手・市場・体調・時期など、こちらで動かせないものが結果に関わるからです。 ここで扱うのは、動かせる部分がまだ残っているかどうかを確かめる方法です。

量を増やす前に見る、3つの場所

報われないと感じたとき、最初に浮かぶ手は「もっとやる」です。 ただ、同じやり方の反復は、方向が合っていないときには効きません。行動は同じ文脈で繰り返されるうちに自動化します。そして自動化した行動は、 それが有効かどうかとは関係なく繰り返されます。これは便利さでもあり、報われない努力が続く理由でもあります。

  • 方向 — 増やしている行動は、結果につながる位置にあるか。 「準備」を増やしても、決まるのが「相手と話した回数」なら、量は結果に触れていません
  • 単位 — 何を1回と数えているか。1日の終わりに「今日も頑張った」としか言えないなら、 振り返る材料が残っていません
  • 確かめ方 — 効いたかどうかを、いつ、何で見るか。決めていないと、 手応えという感覚だけが判断材料になります

やめる判断が、いちばん先送りされる

方向が違うと薄々わかっていても、やめる決断は後回しになりがちです。 選択の場面では現状にとどまる側へ偏りが生じ、その偏りは選択肢が増えるほど大きくなることが 報告されています。他にやれることが多いほど、比べるのが面倒になり、今のまま続けるほうが楽になります。

だから、やめるかどうかを気力で決めない形にします。先に判断の日を決めておく。 「4週間続けて、この数字が動かなければ、方向のほうを変える」。 決めておくと、その日が来たときに考えるべきことが1つに絞られます。

今週やること

  1. 結果に最も近い行動を1つ選ぶ
    準備でも学習でもなく、結果の直前にある行動です。多くの場合、いちばんやりたくないものです。
  2. それを、いつ・どこでやるかまで決める
    「毎日やる」ではなく「火曜と木曜の朝、席に着いたら」。この形が、開始を助けます。
  3. 1回を数えられる形にする
    「頑張った」ではなく「3件送った」。あとで見返せるものだけ数えます。
  4. 判断する日を先に書く
    4週間後の日付を、いま決めます。その日に、量ではなく方向を見直します。

それでも報われないとき

方向を変え、単位を決め、確かめ方も作った。それでも結果が出ないことはあります。 そのとき、自分の価値が否定されたわけではありません。うまくいかなかったのは、選んだやり方と、そのときの条件の組み合わせです。

眠れない、食欲がない、気分の落ち込みが続く、といった状態が伴っているときは、 やり方の問題として抱え込まず、医療機関や公的な相談窓口へご相談ください。

続けること自体が難しいときは続かない・三日坊主で終わるとき、 やめられない側の仕組みは現状維持バイアスと、変われなさを あわせて読んでください。